コンピュータサイエンスの基礎がやさしく学べる『Girls Who Code』を小中高生が日本語と英語で読みながら議論するBook Clubを開催!

2021年3月からスタートしたBook Clubでは『Girls Who Code - 女の子の未来をひらくプログラミング』(レシュマ サウジャニ著)を取り上げ、参加者全員で本を読みながら、プログラミングについて語り合います。第1回目の3月7日(日本時間)は、日本語版を翻訳し、自身もRubyのプログラマーである鳥井雪さんを交え、日本とアメリカから参加した小中高生24人がコンピューターの基礎についてオンラインで活発にディスカッションしました。

日本語、英語、日英MIXでのブレークアウトセッション

冒頭のオープニングセッションの後はすぐに参加者が言葉の希望に応じて3つのグループに分かれます。まずはShow and Tellといって、自由に好きなもの、好きなことを簡単にプレゼンして自己紹介とするアクティビティでスタート。今読んでいる本やおもちゃ、自分で手掛けたパッチワークなど様々な”アイテム”が登場し、楽しく打ち解け合いました。

続く読書会では第1章をカバーし、参加者とファシリテーターが交互に重要なパートを音読で読み進めます。そして内容ごとにファシリテーターが技術的な内径などをやさしく説明していきます。その上で鳥井さんが各グループに時間差で参加し、書籍やコンピューター、プログラミングなどについて子供たちからの積極的な質問に答えてくれました。

英語グループのファシリテーターは、現在ワシントン大学でコンピューターサイエンスを専攻するシェリー李さん。参加者は小4から高校生までと幅広く、音読や解説、議論は全て英語で行いました。「ハードウェアとソフトウェアの違い」などちょっと難しい概念についてはシェリーさんは折に触れて補足説明します。子供たちからは「服に埋め込まれたコンピューターって何?」という質問が出たり、プログラミングの基礎である「入力・処理・出力」の例などについて考えを述べ合ったりしました。最後にシェリーさんから「プログラミングをやったことは?」との質問に、Micro:Bitやロボット工作、Scratch, JavaScript、HTMLなど、すでにコーディングをやっている子も少なからずいて、シェリーさんを驚かせていました。

日本語グループのファシリテーターは、現在Amazonでプロジェクトマネージャーとして勤務するドゥソルビエ礼子さん。参加者は小中高生中心に、こちらは日本語版を読みながら議論していきます。ここでも同じように音読を進めながらファシリテーターが難しいところ補足説明。礼子さんも「プログラミングは一人でやるイメージがあるけれど、大勢の人が協力してやっている」など、実際の現場の話も交えて丁寧に説明していました。ここでも「コンピューターが入った服ってどんなもの?」という質問が出て、その時に居合わせた鳥井さんが「スマートウェア」の話を引き合いに、とても具体的に解説してくれました。

参加者全員が日本語と英語を交えて話し合うMIXグループも

そしてMIXグループのファシリテーターはAmazonのエンジニア、加瀨詩子さんが、小学生中心の参加者を相手に、読書は英語で、説明は日本語中心に英語も少し交えて進めました。

MIXの参加者は日本語も英語もある程度できるという子が多く、ちょっとした会話や説明は英語で行いました。参加者は皆とてもしっかりした英語を話し、音読で割り当てられた英語も、高校生でも難しい単語が入っているにもかかわらずきちんと読みこなしていました。

今回このMIXグループはとてもユニークな試みであった半面、日本語と英語の割合をどうするかなど事前に悩む点がいくつがありましたが、結局コミュニケーションはとてもスムーズで、本の読み合いや質問、議論もすべて問題なく進めることができました。

貴重な翻訳者との直接対話

今回は第1回とあって、やや緊張した面持ちの子が多かったようですが、翻訳者の鳥井さんに直に話ができるというのはとても貴重な体験だったようです。「どうして翻訳者になったか」、「翻訳にどれだけ時間がかかるの?」といった素朴な質問から、「英語にも女の子が話すような表現ってあるの?」、「鳥井さんが男性でもこの本は翻訳しましたか?」など、とても鋭い質問もたくさん出されていました。そして鳥井さんの回答もそれぞれが興味深いものばかりで、やはり第1回目のハイライトだっと言えます。

また参加したい!

セッション後のアンケートでは、ほとんどの子から「また参加したい」との声が上がりました。

そして参加した子供から寄せられたコメントには次のようなものがありました。

  • 中身が詳しかった、わかりやすかった
  • 鳥井さんとも話せたこと みんなと会えたこと
  • ファシリテーターが英語と日本語で、両方で話していたのは、よかった
  • 自分が結構読めて自信になった
  • 日本語で話すことが楽しかった
  • 一つ一つ、丁寧に教えてくれたこと
  • みんなで友達のようにディスカッションができて、楽しかった
  • みんなと出会えて、お話できて楽しかった
  • いろいろな子がいて楽しかった

一方で、「もっとディスカッションがしたい」、「話し合いの時間を長くしてほしい」など貴重なフィードバックもいただきました。それをうまく反映させながら、次回移行は第2章、第3章、そしてデバッグについて学ぶ第6章を読み進める予定です。